氷雪で都市機能がマヒ

(写真)1月26日にNOAA(米海洋大気局)が運用する静止気象衛星GOES-19が撮影(GeoColor画像)した米国とカナダの一部に広がる冬の嵐。

  1月25日から26日にかけて米国東部を猛烈な冬の嵐「ファーン」(Fern)が襲い、首都ワシントンDCとその周辺地域も深刻な被害に見舞われた。記録的な大雪と氷雨、そして極寒の気温が重なり、都市機能は事実上のマヒ状態に陥った。25日に予定されていたワシントン新春祭は荒天(大雪)予報に基づき22日までに中止が発表された。

 ワシントンDCでは、事前の予報を上回る約23センチ(9インチ)以上の積雪を記録。追い打ちをかけるように日曜夜から月曜朝にかけて氷雨が降り、路面は「コンクリートのような」硬い氷の層に覆われた。

 空の便は ダレス国際空港やロナルド・レーガン空港を含む主要空港はほとんど欠航となった。全米で1万2千便を超える欠航が発生。路面凍結による事故が相次ぎ、主要幹線道路でも車両の立ち往生が続出した。

 当局は「不要不急の外出を控えるよう」厳重な警戒を呼びかけた。月曜日には連邦政府機関の多くが閉鎖を余儀なくされた。スミソニアン博物館や国立動物園などの観光施設も相次いで休館し、普段は観光客で賑わうホワイトハウス周辺からも人影が消えた。

 また、バージニア州を含む地域では、氷の重みによる電線の断線で大規模な停電が発生。厳しい寒さにより暖房需要が急増したことで、電力価格が一時的に通常の9倍以上に跳ね上がるなど、エネルギーインフラへの負荷も深刻化している。

DC周辺でも複数の犠牲者

 全米で100人を超える犠牲者が出るなか、DC周辺エリアでも複数の命が失われた。バージニア州やメリーランド州の幹線道路では、路面凍結(ブラックアイス)による多重衝突事故が相次いだ。

 バージニア州当局は、スリップ事故に巻き込まれた運転者など、州内で少なくとも数名の死亡を確認した。

 DC市内では、記録的な極寒により屋外で過ごしていたホームレスが低体温症で亡くなっているのが発見された。周辺の住宅街では、重い湿った雪の除雪作業中に心臓発作を起こして亡くなる高齢者のケースも報告されている。 

 今回の嵐「ファーン」は、DCエリアにおいて「大雪」の後に「氷雨(ひさめ)」が降り、それが一気に凍りつくという最悪のパターンとなった。路面の「スケートリンク」化し、事故が。バージニア州北部を中心に、氷の重みで倒れた木が電線をなぎ倒し、暖房が使えない家庭が続出したことも、低体温症のリスクを高めた。当局は、「Code Blue(寒波緊急事態)」を継続。近隣の一人暮らしの高齢者への声掛けや、不要な外出の自粛を強く求めた。

 ワシントン日本語学校は31日も寒波に伴う交通状況、および子ども達・保護者・教職員の安全に配慮しリモート授業にした。