Home コラム 23    お裾分けの仕方

23    お裾分けの仕方

 2026年が始まってわずかひと月ですが、米国によるベネズエラ攻撃で、すでに世界情勢はこれまで以上に混乱しています。一方的な行動による国際秩序の乱れやベネズエラの一般市民への被害といった問題とは別に、マチャド氏によるトランプ大統領へのノーベル平和賞メダル贈呈という、別の意味で衝撃的な展開もありました。賞を受け取ってから公にメダルを譲渡することは稀ですが、日常生活では、頂いた贈り物の一部を他の人にも分けることがあります。今回は、そうしたお裾分けをする際に添えられる言葉や、(必要に応じて)元の贈り主に説明する際の言い回しを模索します。

 日本語の「お裾分け」には、幸せも分けるような素敵なニュアンスがこめられていますが、英語ではぴったりの訳がないため、少し直接的な言い方になります。I know you enjoy drinking tea. We received a beautiful box of tea over the holidays, so I thought I might share some with you. などと言えます。お裾分けをする相手とはある程度親しい間柄でしょうけれど、I’m sorry it’s not properly wrapped, but I included each of the five flavors in the box! などと説明するとより丁寧でしょう。

 ただ、元の贈り主とお裾分けをした相手が知り合いの場合は、それぞれに対し、誰から頂いたのか、誰に分けたのかを伝えた方がよいかもしれません。贈り主には、My mom is visiting me this week, and we both really enjoyed the chocolates you gave me. Thank you again! や、I happened to have lunch with our mutual friend Dan a day after you and I met. I remembered that he loved the brand of sweets you gave me, so I hope it was ok that I shared a few with him. などと言えます。

 近年は「お裾分け」の言葉を頂き物以外に使う方も増えているそうです。実際、多めの料理や食べ物などを分けることもあるでしょう。I baked some cookies over the long weekend. Please help yourself! というメモとともにオフィスに持っていけば、気軽に食べてもらえるかもしれません。大学のキャンパスなどで会議やイベントを行った後は、We just had a faculty breakfast meeting in the English Department, and have a ton of bagels and muffins left over. If anyone’s hungry, please come get them in the next half hour! といったメッセージをゼミの学生に送ったりもできます。

 お裾分けは本来、自分が何かを頂いた時の喜びを他の人とも分けるもの。この人なら一緒に喜んでくれるだろうと考えて相手を選び、どういったところがいいのか感想を言い合えれば、幸せの波紋が広がり、元の贈り主としても嬉しいのではないでしょうか。

 ■プロフィール

 シアトルで生まれ、ホノルルと東京で育つ。Shiori Communications, LLCの代表として、ワシントンDCを中心に、通訳、執筆活動などを展開。日米をつなぐ言葉の仕事に情熱を注いできた。過去には米日カウンシルや在米・在英日本大使館の広報チームで勤務。通訳者としては、日米各地でハイレベルの会議、人的交流プログラムなどを担当。ダートマス大学で学士号、コロンビア大学の国際公共政策大学院とジャーナリズム大学院で修士号を取得。ブログ「tabula sarasara」、ポッドキャスト「CrossWorld Puzzles」更新中。