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第6回 カイロプラクティックと姿勢改善

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 アメリカに住んでいる多くの日本人の方たちの中には、カイロプラクティックって何? と思う方も多いのではないでしょうか。1895年のアメリカで創始者D・Dパーマーによって確立された手技療法です。WHOでは補完代替医療(CAM)とされています。西洋医学系なので整体と異なります。  カイロはギリシャ語で手を意味し、プラクティスを加えて直訳すると手技療法になります。人体の中で重要な役割を担う背柱を中心に整えることにより、人が生まれながら誰しも備わっている自然治癒力を高め、健康を取り戻し、健康であり続けるためのサポートをするのが、カイロプラクターの役目です。体を支える、体を動かす、そして神経の保護、この3つが背骨の大切な役割です。  普段の生活において、長い時間、前かがみの姿勢をとっていると、背骨の重心がずれてしまい、腰や肩の筋肉に悪影響を及ぼし、腰痛や肩こりの原因となってしまいます。また自律神経が大きく乱れている患者さんや原因がわからない体調不良を抱えている方は、骨格のゆがみが目立つ方が多いです。  ゆがみが強くなり体のバランスが大きく乱れていくと、頭痛やめまいなどさまざまな不調を引き起こす原因となります。そのためにも自分の背骨は正常な状態にあるのか、痛みがなくてもアメリカでは定期的にカイロプラクターに診てもらう人たちが多いです。  また骨格が歪んで姿勢が悪くなるとその姿勢が癖になって固まってしまうので、背骨の動きもどんどん悪くなっていきます。運動の習慣が無い人は、前屈や後屈、側屈などの軽い伸びをするだけでも、体の動かしづらさを感じるでしょう。背骨が本来持っている役割も発揮しきれず、アンバランスになっているからです。背骨を支えるのに重要な役割を果たしているのが筋肉です。  脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は背骨の両側にある細長い筋肉です。一般的には背筋と呼ばれる筋肉で、首から骨盤に位置しています。私たちの体はこの脊柱起立筋が背骨を立てて姿勢を維持してくれるため、直立ができるのです。また脊柱起立筋は、重力に抗って姿勢を保つ「抗重力筋」であるため、二足歩行を行う人間にとって重要な役割を果たしています。  脊柱起立筋は体幹の伸展:上体を後方に反らす、体幹の側屈:上体を横に曲げる、骨盤の前傾:骨盤を前方に傾ける作用があります。このように背骨周りの筋肉はとても重要ですので今回は健康な背骨を保つためのエクササイズを紹介します。  図1のヒップ・リフトは主に大臀筋(お尻)を鍛えるエクササイズですが、同時に脊柱起立筋も鍛えられます。膝の角度が90度になるように、膝を立てましょう。両手は体の横に置きます。膝から肩までが一直線になるところまで上げたら、ゆっくりとお尻を下ろして元の体勢に戻りましょう。10回×3セット。  図2のバード・ドッグは左右交互に行ってください。手と足を伸ばすとき、背中を反らさないで背骨を真っ直ぐな状態で2〜3秒保ちゆっくりと戻すことです。10回×3セット。  図3のドッグ・アンド・キャットは背骨まわりの柔軟性を高めます。この運動を行うことにより脊柱全体の可動性、腰椎と骨盤の各関節を分けて動かすことができ腰痛予防にも繋がります。息を吸いながら背骨を反らせていく、息を吐きながら背骨を丸める。 ゆっくり10回×3セット。 * * * ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。ガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic...

第5回 50歳からのエクササイズ

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  今回は50歳以上の方のエクササイズについてご紹介したいと思います。  私自身、もうすぐ51歳になりますが、疲れやすくなっているのを実感している今日この頃です。個人的には体力のいる仕事をしているため、自分の体のメインテナンスは、重要視していますが、そうでない方もぜひ、運動を生活の1部に取り入れて、より健康的に明るく楽しい老後生活を送って頂けるためにも今から、運動習慣をつけていきましょう。  高齢になると転倒による大腿骨骨折が原因でそのまま寝たきりなってしまい、そこから老人性痴呆症を発症するケースが多くあるという統計が出ています。骨折の原因としては、視覚、聴覚など感覚器官の低下、筋力、筋量の低下により足が上がりにくい、バランス能力の低下によってつまずきやすいなどが挙げられます。  筋量に関しては、男性より、女性の方が少なく、女性の場合、更年期以降、女性ホルモンの低下により、骨粗しょう症も発症しやすいので、転倒による骨折が女性は男性の2・5倍という報告が出ています。特に足腰が弱るとつまずきや転倒する確率があがりますので、しっかり補強しておくことが大事です。  また30代、40代の健康体であっても、仕事柄「日頃座りっぱなしの生活をしている」という人は注意が必要です。現代人の生活はとても豊かで便利になり、体を動かすことが少なくなっています。「こんなに忙しくしているのに」と思っても、実際には一日中座って仕事をしている人も多く、いつの間にかほとんどの人が運動不足になっているのです。  ジムに行かなくてもお家で毎日できる簡単エクササイズをいくつか挙げてみました。まずは、図1の片脚立ちです。膝や足首周りの筋肉とともにバランス、体幹も強化されますので、まずは転ばないようテーブルなどにつかまりながら、片脚立ちを左右30秒〜1分間ずつ3セット行い、慣れてきたらサポート無しで行ってください。  図2は椅子につかまりながら太ももが床と並行になるまで下げるハーフクワットです。このエクササイズによって大腿と臀部の筋肉を強化しつつ、股関節まわりの可動域も広がります。足を肩幅よりやや広げ、ゆっくり10回×3セット行います。  図3は壁を使った腕立て伏せです。上半身の筋肉が無いと転倒時に、腕の骨折や肩脱臼の原因にもなりますので、しっかり強化しましょう。通常の腕立てよりも体にかかる重力が少ないので、上半身への負担は少ないのですが、胸の筋肉、肩甲骨まわりの筋肉は使われるので、ゆっくり深く、10回×3セットを目標に行いましょう。  図4はボックスステップです。ウオーキングよりも足を上げる分、負荷がかかりますが、膝周りの筋肉も強化され、雨の日でも室内で簡単にできるのでぜひ試してみてください。図4のように低いボックスから始めます。ボックスは木の箱や本を重ねてもいいですが、足裏が当たる部分は硬く、安定していること。クッションなど表面が柔らかいと足首をひねる可能性もあるので避けて下さい。ポイントは手も前後に振って台に乗ります。後ろ向きで下に下がる時のほうが重力の影響を受けやすいので、その点を十分に意識して衝撃をなるべく低減させるように行って下さい。ボックスに上がって下がってで1回です。10回〜20回を3セット。慣れてきたら、回数を増やすか、ボックスの高さを上げて負荷をかけると足腰の強化になります。 * * * ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。ガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。

第4回 膝の痛みの原因と予防法

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 一言で膝の痛みと言っても、外部からの大きな衝撃によって生じる靭帯断裂や膝蓋骨骨折などの急性的なものから加齢に伴って起きる骨の変形性による膝の痛みなど様々です。  特に50代以降の膝痛は、急性の症状とは異なり、立ち上がる時だけに痛みを感じ始め、膝を曲げる、伸ばす動作が困難、ランニングができない、歩くときに痛いなど徐々に日常生活に支障が出てくるのが特徴です。悪化すると膝の関節にある軟骨が老化により少しずつすり減って、結果として変形性膝関節症を発症する場合もあります。とくに中高年に多く、女性の発症率が男性よりも多いです。  その要因として、加齢による骨密度の減少、特に更年期後の女性は、女性ホルモンの1つ、エストロゲンが減少します。エストロゲンは骨の形成を促し、骨の吸収を抑える働きがあり、その結果、骨密度が減り、関節症になりやすくなります。その他の原因として体重過多による膝への負担、車の修理工やガーデニングなど、仕事や趣味による長時間、長期間作業で生じる膝への負担、また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷の後遺症として発症することもあります。  アメリカの整形外科では痛み止めやステロイド注射を打って一時的に痛みを取り、その後、リハビリを行って、膝周辺の筋肉を鍛え、同時に可動域を改善させます。特に重要なのは、膝のまわりの筋肉をストレッチと筋力強化で整え、なるべく膝関節に負担をかけないようにすることです。   大腿四頭筋(図1)は膝関節のの伸展においてとても重要な筋肉です。この筋肉が弱いと膝が曲がってしまい、歩行動作に影響を与えるので、しっかり鍛えておきましょう。図6のスクワットは、両足を肩幅よりやや広げて、なるべく膝をゆっくり深く曲げて、10回、3セットを目安に行います。四頭筋と共に臀部の筋肉も鍛えられ、膝の動きと深く関係する骨盤も安定させるので、ぜひ行ってみて下さい。  大腿四頭筋以外にも3つの筋肉が膝関節に付いています(図2)。これらの筋肉が硬いと膝関節が正常な位置に安定しないのでこの3つの筋肉のストレッチも重要です(図3〜図5)。ハムストリングスは太ももの裏側に付いている筋肉で膝の裏まで伸びている長い筋肉です。この筋肉が硬いと、股関節の可動域が減り、足が前に出にくくなり、膝に負担がかかるので、しっかり伸ばしましょう(図5)。  最後に骨盤が歪んでいると足の長さに左右差ができ、どちらかの膝に負担がかかります。長期間そのままの状態で、運動をしたり日常生活を続けていると後々、股関節、膝関節の関節症を発症させる要因にもなりますので、痛みがなくても定期的に専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。 * * * ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。ガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。

第3回 四十肩、五十肩の原因と予防法

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 四十肩、五十肩はその名の通り、40代、50代で発症しやすい肩の痛みで医学用語でいうと、癒着性関節包炎または肩関節包囲炎、英語でFrozen shoulder、またはAdhesive Capsulitis といいます。主な症状としては、肩が徐々に上がらなくなる、もしくはある日、突然上がらなるといった症状です。  おもな原因として肩周辺の関節包、靭帯の炎症です。痛みはあるが、無理をすればまだ腕が上がる状態が発症から2週間くらい続き、その後、関節周辺の癒着が始まり、痛みは少し収まりますが、可動域が著しく減少し慢性化します。放置すると6か月、長いと1年はこの状態が続くので、早めに治療をし、その後、可動域を上げるリハビリに取り組むことをお勧めします。  四十肩、五十肩は、加齢による骨、靭帯、腱の劣化、筋力の低下、仕事、スポーツ、趣味などで繰り返される肩関節への負担、例として、ゴルフ、テニス、庭仕事などです。更年期によるホルモンバランスの変化、エストロゲンの減少も影響するので、男性よりも女性の発症率が高いです。  診断方法としてレントゲンで骨周辺の石灰化の有無をチェック。医者の判断にもよりますが、重症の場合、MRIで肩周辺の靭帯や腱、筋肉の断裂がないかを診ます。その後、整形外科であれば、薬または注射で痛みや炎症を抑え、その後、理学療法でリハビリを行い、薬や注射投与に抵抗がある場合はカイロプラクティックや鍼などで可動域を改善させる治療、リハビリをします。ある程度、可動域が改善されたら、ホームエクササイズで筋力強化をし再発防止という流れです。  当院にも四十肩、五十肩で来院される方が多くいらっしゃいますが、まず検査法しては、肩関節を動かすのに重要な役割を担う4つの筋肉のテストを行い、どの筋肉が弱いか診断します。  弱い、もしくは使えていない筋肉は硬いので、まずはその筋肉をドライニードル(筋肉に鍼を打ち電気を流す方法)でほぐし、その後、肩を動かす4つの筋肉に重点を置いてストレッチをし、少しずつ痛みをとり、可動域を改善させます。これは私自身が実際に提供している治療法ですが、クリニックや施設によって治療法は様々です。  もう一つ見落としてはいけないのは姿勢のアンバランスによる肩回りの硬直です。図1のように首後ろ付近の筋肉と大胸筋が硬く(赤線)、首の前の筋肉と肩甲骨周りの筋肉が弱い(青線)姿勢になると、肩の可動域を制限されます。年齢、性別に関係なく、デスクワークの多い方はこの姿勢になりやすく四十肩・五十肩予備軍になり兼ねないので、日頃から体を動かす習慣をつける為にも簡単にできるエクササイズを紹介します。  まず、図2のように胸の筋肉を伸ばすことにより、巻き肩を改善できます。図3のようにダンベルを後ろに引くエクササイズにより、背中の筋肉を鍛え、猫背予防になります(10回×3セット)。図4は仰向けになり、顎をできるだけ引き、5秒ほどその状態を保ち、5秒リラックスを繰り返すことにより、顎を突き出す姿勢が改善されます。ぜひやってみて下さい!続するだけで、数週間後にはご自分の姿勢に変化が表れてくるのが実感できると思います。ぜひ試してみて下さい! ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。

第1回「ジェンダー平等を実現しよう」

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算数・国語・理科・社会の力をつかってSDGsを考えよう 子どもたちのSDGsの知識を増やし、 豊かな学力を育み、思考力を高めることを目的として設立された米・SDGs教育NPO法人ブルーエッグス(Blueggs Environmental Education)によるSDGsクイズ特集が始まります。第一回目の今回はSDGsの目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」がテーマです。クイズにチャレンジしてSDGsについていっしょに考えてみませんか? ■SDGsとは  貧困、紛争、気候変動、感染症など人類はこれまでになかったような数多くの問題に直面している。これらの問題を解決するため、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)が掲げられた。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標だ。17のゴール、169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。発展途上国だけでなく先進国自身が取り組むユニバーサルなもので、日本や米国も取り組んでいる。

第2回 幼少期の運動 体の使い方

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 パリオリンピックの熱戦から、1か月が経ちますが、その後もアメリカンフットボール、野球サッカーなどプロスポーツのシーズンに突入し、大谷選手が50-50を達成したりと、盛り上がりを増していますが、ふと、スポーツ選手が幼少期から高校までどんなスポーツをしていたのか興味があり、調べてみました。  野球の大谷選手は幼少期、野球と並行して、水泳も習っており、全身を使う水泳は成長著しい時期には体への負荷が少なく、また、肩の柔らかさも獲得できるメリットがあったのではないでしょうか。またアメリカの大学スポーツ選手の9割近くは幼少期に、2つ以上のスポーツをしており、7割の選手が12歳まで1つのスポーツに絞らなかったという統計が出ています。  日本では非常に若い年齢から1つのスポーツに特化して取り組み、成果を出させるスポーツ英才教育が主流になっていますが、第2次性徴が始まる10歳前後から14歳くらいまでは(個人差あり)、身長が1年に10㎝近く伸び、急激な骨の成長に靭帯、筋肉の成長が追い付かないため、この時期に1つのスポーツだけやらせると、同じ動作の反復が発達途上の靭帯や筋肉、腱に負荷をかけ、筋肉断裂や靭帯損傷といった大きなケガに繋がる率を上げます。  息子が中学でフットボールをしていますが、夏休み中は基本である走る、立ち幅跳び、タイヤ引きなど持久力、瞬発力、体幹を鍛えるトレーニングを学校主催で毎日やってくれます。このトレーニングにより、瞬発、心肺機能はもちろんのこと、大きな筋肉を使って体を動かすという基礎ができ、ケガ防止にも繋がります。  秋になるとフットボールシーズンですが2か月で終了、その後、バスケットボール2か月、陸上競技2か月と日本の部活とは異なり、行うスポーツが数か月ごとに変わるので、色々な動きが習得でき、個人的にアメリカの部活動のシステムは素晴らしいと思います。  高校では一つ一つのスポーツの期間はもう少し長いですが、基本同じでフットボールシーズンが終わるとレスリングに移行する選手もいれば、野球シーズンが終わるとフットボールに移行する選手もいます。ワールドベースボールで有名になったヌートバー選手はフットボールでも強豪の南カリフォルニア大学からスカウトがあったようです。  このようにアメリカでは高校まで二刀流の選手が多いのも特徴です。ケガをしない体つくりのため、幼少期にどんな運動が効果的か、例として、縄跳びはジャンプ力、心肺機能を発達させ、でんぐり返しや、逆立ちなどのマット運動は柔軟性、体をコントロールする力や平衡感覚がつき、鉄棒はぶら下がるだけで握力が付き、逆上がりは自分の体を持ち上げるための腕、肩の筋肉、腹筋が鍛えられます。  綱引きはアメリカでもトレーニングの一環で取り入れられるほど人気で足腰の強化、背筋力、体幹、握力と全身の筋肉が使われる優良エクササイズです。そうです、上記に挙げた運動はすべて小学校で経験した動きなんです。日本の小学校の校庭、運動会、体育の時間が、いかによく考えられてできた環境か大人になって再認識しました。  上記の運動は幼少期に限らず誰でもできる運動です。筋力、体力だけでなく、転んだ時に自分の体を守る防護力やできないことにチャレンジする精神力、忍耐力も身に付きますので、ぜひお子さんと一緒に色々な動きを試していただきたいです。  5分でもいいので、上記のエクササイズとストレッチを毎日継続するだけで、数週間後にはご自分の姿勢に変化が表れてくるのが実感できると思います。ぜひ試してみて下さい! ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。

第1回 腰痛の原因と予防

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 皆さん、一度は経験したことがある腰痛。急性と慢性の腰痛がありますが、急性の腰痛で多いのがぎっくり腰と呼ばれるものです。転倒や車の事故といった外部からの強い衝撃によるものではなく、ソファから立ち上がろうとした瞬間、洗顔しようと前かがみになった瞬間に腰に激痛が走り、そのまま動けなくなるといった日常生活の中のふとした動作で起こるのがぎっくり腰です。  激痛の原因は主に筋肉、細かく言うと筋繊維の損傷によるものです。腰に過度の負荷が一定期間かかり、筋肉がこれ以上支えられない限界に達したとき、痛みとして脳に伝達します。なぜこのようなことが起きるのか、原因として多いのが、腰を支える筋肉のアンバランスです。  デスクワークの姿勢を例に挙げると、疲れてくると背中が丸まり首が前に出る姿勢になります。そうなると、体の前側にある体幹の筋肉が縮む↓硬くなる↓使われていないので弱くなります。その分を補おうと体の後ろ側の背骨を支える起立筋に倍の負担がかかり、最終的に起立筋が限界を感じ、立ち上がろうとすると痛みで立ち上がれなくなるといった連鎖です。  同様に骨盤を安定させる臀部の筋肉も長時間、座ることによって、使われず、弱って、腰痛を招きます。  このようにぎっくり腰は急性の腰痛ですが、慢性的な筋肉のアンバランスが引き金となって起きるのです。  図1はクロスシンドロームと呼ばれるもので、正しい姿勢を支える深層の腹筋と臀部の筋肉が弱く、反対側に位置する起立筋と腸腰筋が硬くなり、この状態が長期間続くと急性、もしくは慢性の腰痛に繋がります。今回は、日々忙しい皆さんのためにエクササイズとストレッチを1つずつご紹介します。  図2のエクササイズはDog & Birdと呼ばれるエクササイズで、体幹を鍛えるとともに骨盤まわりの筋肉のバランスを整え、左右のバランスも均等にする優れたエクササイズです。  注意する点としては、左右交互に行うこと、手と足を伸ばすとき、背中を反らさないで背骨を真っ直ぐな状態で2-3秒保ちゆっくりと戻すことです。その時、左右行って、グラついたり安定しない側は、体幹が弱い証拠です。膝が痛い場合は、タオルを下に敷いて行ってください。  図3は背骨から骨盤の前、股関節側についている腸腰筋のストレッチです。この筋肉が硬いと骨盤を前に引っ張り過ぎて、お腹を突き出すような姿勢になり、腰に負担がかかるので、この筋肉をしっかりストレッチして腰痛予防を心掛けましょう。  5分でもいいので、上記のエクササイズとストレッチを毎日継続するだけで、数週間後にはご自分の姿勢に変化が表れてくるのが実感できると思います。ぜひ試してみて下さい! ドロリンガー真紀   カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。