
英検・オンライン受験・出願条件の変化
「帰国生入試は特別だから。」
こんにちは。早稲田アカデミーの川村です。今回は、情報のアップデートの重要性についてご説明いたします。
帰国生入試では、「去年と同じだから大丈夫」という考えは通用しません。むしろ、去年と今年の情報の差が、そのまま合否に影響することさえあります。
帰国生入試は制度の変化が速く、学校ごとの選抜方法が毎年のように更新される領域です。過去の体験談を参考にすることは大切ですが、そのまま当てはめてしまうと、現在地を見誤る可能性があります。地図が描き変えられているのに、古い地図を頼りに道を探すようなものです。
その変化を象徴する例のひとつが、英語資格の扱いです。たとえば同じ英検準一級でも、評価は学校によって大きく異なります。 広尾学園や渋谷教育学園渋谷では、英語資格を得点換算に用いる年度があり、成績に直接影響することがあります。
一方、頌栄女子学院や東京女学館では、出願条件を満たす証明としては有効でも、得点上の加点にはつながりません。また、海城中では年度によっては英語力に応じて面接の比重が変わるなど、資格の持つ意味が一定ではありません。重要なのは「資格を持っていること」ではなく、「その資格が志望校においてどのように扱われるか」を理解することです。資格そのものより、その“使い方”が問われています。
もう一つの大きな変化は、オンライン受験やオンライン面接の導入です。コロナ禍をきっかけに、多くの学校が海外在住者にも受験しやすい形を整えてきました。
たとえば広尾学園は海外オンライン面接を複数年度で採用し、渋谷教育学園渋谷もオンライン面接や事前提出資料を併用した選抜を実施した時期があります。しかし、これらは常に継続されるわけではありません。翌年度には対面形式へ戻すケースもあります。つまり、「去年オンラインだったから安心」という考え方は危険です。今年どうなっているのかを確認することこそが重要です。
また、出願条件にも細かな変更が発生します。海外在住年数や帰国時期、TOEFLや英検のスコア提出方法、願書の記述テーマ、面接で問われる内容など、同じ学校であっても、昨年度と一文字単位で違うことがあります。「去年受けた知り合いがこう言っていた」では、十分ではありません。大切なのは「今年」の情報に立脚した判断です。
そして、情報を“持つ”ことと“使える”ことは別の力です。集めた情報を、自分の子どもの強みと照らし合わせ、どこで力を発揮できるかを考える必要があります。英語が得意な子、思考を文章にまとめる力がある子、対話の中で自分の考えを伝えるのが上手な子。それぞれ活かせるフィールドは異なります。情報とは、選択肢を広げるための材料であり、道しるべです。
帰国生受験は、努力量だけで決まるものではありません。努力の「方向」が合っているかどうかで成果は大きく変わります。その方向を定める羅針盤が、まさに「最新の情報」です。
今年も、学校は動いています。制度は変わり続けています。だからこそ、「昨年」ではなく「いま」を見ましょう。
次回は、集めた情報をどのように整理し、“戦略”へと形にしていくかを考えていきます。

■川村宏一(かわむら・こういち)
早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2022年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門にて英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月より現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。問い合わせはEメール[email protected]まで。
早稲田アカデミー ニューヨーク校 https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html




