
アメリカに住んでいる多くの日本人の方たちの中には、カイロプラクティックって何? と思う方も多いのではないでしょうか。1895年のアメリカで創始者D・Dパーマーによって確立された手技療法です。WHOでは補完代替医療(CAM)とされています。西洋医学系なので整体と異なります。
カイロはギリシャ語で手を意味し、プラクティスを加えて直訳すると手技療法になります。人体の中で重要な役割を担う背柱を中心に整えることにより、人が生まれながら誰しも備わっている自然治癒力を高め、健康を取り戻し、健康であり続けるためのサポートをするのが、カイロプラクターの役目です。体を支える、体を動かす、そして神経の保護、この3つが背骨の大切な役割です。
普段の生活において、長い時間、前かがみの姿勢をとっていると、背骨の重心がずれてしまい、腰や肩の筋肉に悪影響を及ぼし、腰痛や肩こりの原因となってしまいます。また自律神経が大きく乱れている患者さんや原因がわからない体調不良を抱えている方は、骨格のゆがみが目立つ方が多いです。
ゆがみが強くなり体のバランスが大きく乱れていくと、頭痛やめまいなどさまざまな不調を引き起こす原因となります。そのためにも自分の背骨は正常な状態にあるのか、痛みがなくてもアメリカでは定期的にカイロプラクターに診てもらう人たちが多いです。
また骨格が歪んで姿勢が悪くなるとその姿勢が癖になって固まってしまうので、背骨の動きもどんどん悪くなっていきます。運動の習慣が無い人は、前屈や後屈、側屈などの軽い伸びをするだけでも、体の動かしづらさを感じるでしょう。背骨が本来持っている役割も発揮しきれず、アンバランスになっているからです。背骨を支えるのに重要な役割を果たしているのが筋肉です。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は背骨の両側にある細長い筋肉です。一般的には背筋と呼ばれる筋肉で、首から骨盤に位置しています。私たちの体はこの脊柱起立筋が背骨を立てて姿勢を維持してくれるため、直立ができるのです。また脊柱起立筋は、重力に抗って姿勢を保つ「抗重力筋」であるため、二足歩行を行う人間にとって重要な役割を果たしています。
脊柱起立筋は体幹の伸展:上体を後方に反らす、体幹の側屈:上体を横に曲げる、骨盤の前傾:骨盤を前方に傾ける作用があります。このように背骨周りの筋肉はとても重要ですので今回は健康な背骨を保つためのエクササイズを紹介します。

図1のヒップ・リフトは主に大臀筋(お尻)を鍛えるエクササイズですが、同時に脊柱起立筋も鍛えられます。膝の角度が90度になるように、膝を立てましょう。両手は体の横に置きます。膝から肩までが一直線になるところまで上げたら、ゆっくりとお尻を下ろして元の体勢に戻りましょう。10回×3セット。
図2のバード・ドッグは左右交互に行ってください。手と足を伸ばすとき、背中を反らさないで背骨を真っ直ぐな状態で2〜3秒保ちゆっくりと戻すことです。10回×3セット。
図3のドッグ・アンド・キャットは背骨まわりの柔軟性を高めます。この運動を行うことにより脊柱全体の可動性、腰椎と骨盤の各関節を分けて動かすことができ腰痛予防にも繋がります。息を吸いながら背骨を反らせていく、息を吐きながら背骨を丸める。 ゆっくり10回×3セット。
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ドロリンガー真紀
カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。ガー真紀
カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。