
8月は日本でも米国でも夏休み真っ只中です。帰省したり、家族と旅行したり、忙しい方も多いと思います。ただ、大きな予定とは別に、仕事や学業が比較的落ち着いている夏の間に、ゆっくりと自分の時間を確保し、心身を労わったり、人生計画を見直したりしたい方もいるでしょう。今回は、そういった個人的なニーズをどのように職場や周りの人々に説明し、きちんと休むことができるかについてに取り上げます。
まず、仕事で心身共に疲弊している場合。米国では「メンタルヘルス休暇」を設ける職場が増えてきましたが、そういった制度がない所もまだ多いでしょう。大きなプロジェクトが終わるタイミングを見て、I’d like to take a week off after the board meeting next month. などと前広に述べれば十分でしょうが、理由を聞かれた場合には I’ve been working nonstop for a while, and would like to take some time for myself. などと言うことができます。
ストレスが溜まり続けている場合は、長期的な解決が必要となります。休暇を取るだけでなく、仕事の量や内容を調整し、ペースを落とすことも重要です。上司に対し、I’m overwhelmed by the amount of assignments, and would like to request some help. などと相談したり、I’ve been struggling with this project, and feel that others might do a better job—may I adjust my portfolio? などと訴えることができるでしょう。人手不足で仕事を譲れる相手がいない場合には、I think we could outsource some of this work, and have found some consultants we could hire within our budget. と委託業者を提案することもできます。
本当に切羽詰まっている時には、消化不良、睡眠障害、片頭痛といった形でストレスが身体に現れます。上記の相談だけで物事が進まなそうな場合には、My stress is beginning to take a physical toll. と補足したり、I’m starting to feel burnt out. と率直に伝えるとよいでしょう。
暗い話ばかりではありません。普段の生活や人生を見直すことにも休暇を使えます。ただ、I’d like to take some time to reconsider my priorities in life. などと友人や家族には言えますが、上司には間接的な不満の表明に聞こえかねないため、別の言い方をした方がよいかもしれません。I’m going through something in my personal life, and hope to find ways to take better care of myself. などと話せば、それ以上聞かれることはないでしょう。
テクノロジーの発達により、私たちは今やどこにいても働けます。在宅勤務がより受け入れられてありがたい反面、仕事とプライベートのすみ分けがますますしづらくなっています。そのような時代だからこそ、しっかり自分の時間も確保し、休みを取りつつ仕事に臨みたいものです。
■プロフィール
シアトルで生まれ、ホノルルと東京で育つ。Shiori Communications, LLCの代表として、ワシントンDCを中心に、通訳、執筆活動などを展開。日米をつなぐ言葉の仕事に情熱を注いできた。過去には米日カウンシルや在米・在英日本大使館の広報チームで勤務。通訳者としては、日米各地でハイレベルの会議、人的交流プログラムなどを担当。ダートマス大学で学士号、コロンビア大学の国際公共政策大学院とジャーナリズム大学院で修士号を取得。ブログ「tabula sarasara」、ポッドキャスト「CrossWorld Puzzles」更新中。