Home コラム 2  迷っている時の回答の仕方

2  迷っている時の回答の仕方

 3月上旬の春先は三寒四温で、気温が大きく上下し、気が抜けません。この季節になると、Katy Perryの「Hot N Cold」が思い起こされます。その歌は恋愛に関するものですが、熱意があるのか分からないような優柔不断な態度は、仕事や社交など他の人間関係においても失礼にあたります。そこで今回は、何か申し出や誘いを受けた時、迷っていたとしても相手に悪い印象を与えないような回答の仕方を取り上げます。

 回答に迷うことを言われた場合、即答できないことに意識が行ってしまいがちですが、断る可能性があるのであればなおさら、まず感謝の意を表明することが重要でしょう。パーティーへのお誘いであれば、Thank you so much for thinking of me. と言えますし、仕事関連のオファーであれば、I very much appreciate being considered for this opportunity. などと言えます。

 次に、回答を待ってほしいという言葉です。即答できない理由は様々ですが、内容に関して迷っているというよりも、日程の問題の場合もあります。既に仮押さえが入っている場合は、I may have a potential conflict that day, but please let me check with others and respond to you soon. などと言えます。仮押さえが確定か否かの判明に時間がかかりそうな場合は、I’ll let you know as soon as I hear back.と付け足し、できる限り急いでいることを示せます。

 就職や転勤などの大きな決断や、何か心に引っ掛かることがある場合などは、回答にもっと時間がかかるかもしれません。いつまでに返事が必要か聞いてしまうと、あまり関心がないと思われる可能性があるため、Would you please allow me to respond by the end of the week?などと自分から締め切りを提案する方がよいでしょう。転勤など、他者も巻き込む話の場合は、I’d like to consult my family.などと補足できますし、迷っている場合は、Because this is such an important decision, I’d like to think about it carefully.などと言う表現で理解を求めることができます。

 日程調整をしたり決断を下したりした後、最終的な回答をする際は、I’m sorry to have kept you waiting.やThank you very much for your patience. といった言葉を添えると良いでしょう。先方からの誘いを受けるために予定を動かした場合は、I adjusted my schedule and am now available. と率直に伝えると熱意が伝わるでしょう。いろいろと迷った後、最終的に断ることになった場合は、真摯にThis was a difficult decision for me. と言って理由を説明すると、次にまた声をかけてもらえるかもしれません。

 迷うことは誰にでもありますが、回答を待ってもらうことでどうしても相手に迷惑がかかります。最終的にどんな決断となるにせよ、誠実な形で事情や心情を説明すれば、きっと分かってもらい、良好な関係を維持できるでしょう。

 ■プロフィール

 シアトルで生まれ、ホノルルと東京で育つ。Shiori Communications, LLCの代表として、ワシントンDCを中心に、通訳、執筆活動などを展開。日米をつなぐ言葉の仕事に情熱を注いできた。過去には米日カウンシルや在米・在英日本大使館の広報チームで勤務。通訳者としては、日米各地でハイレベルの会議、人的交流プログラムなどを担当。ダートマス大学で学士号、コロンビア大学の国際公共政策大学院とジャーナリズム大学院で修士号を取得。ブログ「tabula sarasara」、ポッドキャスト「CrossWorld Puzzles」更新中。