
パリオリンピックの熱戦から、1か月が経ちますが、その後もアメリカンフットボール、野球サッカーなどプロスポーツのシーズンに突入し、大谷選手が50-50を達成したりと、盛り上がりを増していますが、ふと、スポーツ選手が幼少期から高校までどんなスポーツをしていたのか興味があり、調べてみました。
野球の大谷選手は幼少期、野球と並行して、水泳も習っており、全身を使う水泳は成長著しい時期には体への負荷が少なく、また、肩の柔らかさも獲得できるメリットがあったのではないでしょうか。またアメリカの大学スポーツ選手の9割近くは幼少期に、2つ以上のスポーツをしており、7割の選手が12歳まで1つのスポーツに絞らなかったという統計が出ています。
日本では非常に若い年齢から1つのスポーツに特化して取り組み、成果を出させるスポーツ英才教育が主流になっていますが、第2次性徴が始まる10歳前後から14歳くらいまでは(個人差あり)、身長が1年に10㎝近く伸び、急激な骨の成長に靭帯、筋肉の成長が追い付かないため、この時期に1つのスポーツだけやらせると、同じ動作の反復が発達途上の靭帯や筋肉、腱に負荷をかけ、筋肉断裂や靭帯損傷といった大きなケガに繋がる率を上げます。
息子が中学でフットボールをしていますが、夏休み中は基本である走る、立ち幅跳び、タイヤ引きなど持久力、瞬発力、体幹を鍛えるトレーニングを学校主催で毎日やってくれます。このトレーニングにより、瞬発、心肺機能はもちろんのこと、大きな筋肉を使って体を動かすという基礎ができ、ケガ防止にも繋がります。
秋になるとフットボールシーズンですが2か月で終了、その後、バスケットボール2か月、陸上競技2か月と日本の部活とは異なり、行うスポーツが数か月ごとに変わるので、色々な動きが習得でき、個人的にアメリカの部活動のシステムは素晴らしいと思います。
高校では一つ一つのスポーツの期間はもう少し長いですが、基本同じでフットボールシーズンが終わるとレスリングに移行する選手もいれば、野球シーズンが終わるとフットボールに移行する選手もいます。ワールドベースボールで有名になったヌートバー選手はフットボールでも強豪の南カリフォルニア大学からスカウトがあったようです。
このようにアメリカでは高校まで二刀流の選手が多いのも特徴です。ケガをしない体つくりのため、幼少期にどんな運動が効果的か、例として、縄跳びはジャンプ力、心肺機能を発達させ、でんぐり返しや、逆立ちなどのマット運動は柔軟性、体をコントロールする力や平衡感覚がつき、鉄棒はぶら下がるだけで握力が付き、逆上がりは自分の体を持ち上げるための腕、肩の筋肉、腹筋が鍛えられます。

綱引きはアメリカでもトレーニングの一環で取り入れられるほど人気で足腰の強化、背筋力、体幹、握力と全身の筋肉が使われる優良エクササイズです。そうです、上記に挙げた運動はすべて小学校で経験した動きなんです。日本の小学校の校庭、運動会、体育の時間が、いかによく考えられてできた環境か大人になって再認識しました。
上記の運動は幼少期に限らず誰でもできる運動です。筋力、体力だけでなく、転んだ時に自分の体を守る防護力やできないことにチャレンジする精神力、忍耐力も身に付きますので、ぜひお子さんと一緒に色々な動きを試していただきたいです。
5分でもいいので、上記のエクササイズとストレッチを毎日継続するだけで、数週間後にはご自分の姿勢に変化が表れてくるのが実感できると思います。ぜひ試してみて下さい!

ドロリンガー真紀
カイロプラクティック大学卒業後、カルフォルニア、ワシントン州で豊富な臨床経験を積み、その後、ユタ州での開業を経て、2022年より、テキサス州ヒューストンに Pro Relief Chiropractic をオープン。テキサス州公認カイロプラクター。